【レッドワールド】





 グリーンとのバトルにはもちろん勝った。
 悔しそうなグリーン。しかし火と水って……属性攻撃覚えてなくて本当によかった。

「くそっお前のポケモン選んだらよかったぜ!」
「馬鹿」

 アホの子グリーンに脳天チョップを喰らわす。ドスン、と綺麗に決まりました。

「いってー! 何すんだよ!!」
「自分でゼニガメ選んだんでしょ。それならちゃんと責任持て」
「……うるせー」
「ん」

 項垂れている可哀想なゼニガメを指さす。するとバツの悪そうな顔になったグリーン。

「ふ、っふん! 次に会った時には俺が勝つんだからなっ」
「はいはい」

 ほぼ同じ高さにある頭をパフパフと撫でる。手を退けるとグリーンは走り去って行った。
 残された私とオーキド博士。
 呆れたように博士が言った。

「君たちは相変わらずのようじゃな」
「そうですかね」
「しかしまあ、レッドがいるおかげで、グリーンはポケモンを道具のようには扱わん。  いっそ二人で旅をしてくれたら有難いのにのう」

 オールウェイズグリーンは無理です。

「疲れます」
「レッドがいないと心配なのじゃが」
「何とかなりますよ」
「そうだと良いが」

 別れのあいさつをし、研究所を後にした。
 旅に出る前に自宅に戻ると、母さんが別れを惜しむように私を抱きしめた。

「あんたは男の子みたいにしてるけど、女の子なんだからね。道中気をつけるのよ」
「うん、気を付ける。それにカゲッちもいるから大丈夫」

 母さんは私を話すと、

「あら、グリーン君は?」
「一緒に行かないよ。博士にも言われたけど」

 口を押さえて「あらあら」を繰り返す母さん。しばらくするとにっこりほほ笑んだ。いや、にんまりが正しいかもしれない。

「偶然会うほうが運命的で良いかもしれないわね」
「いやいやいやいや」
「ま、気を付けていってらっしゃい。旅もいいけどたまにはグリーン君も構ってあげなさいよ」
「……はい」

 母に見送られ、トキワシティへと向かう。
 途中野生のポケモンとバトルしながらで、カゲッちのレベルを上げた。もうくたくただ。
 トキワシティのポケモンセンターへ行くと、お姉さんが手早く回復してくれた。

 もうこのままポケモンセンターに就職してしまいたい。

 フレンドリーショップで傷薬を買おうとしたら、オーキド博士へおつかいを頼まれた。
 何で私を知っている。

 仕方なくもう一度マサラタウンへ。
 まだ旅に出ていなかったのかグリーンに絡まれた。うざい。しかし弟みたいで可愛い。
 博士からポケモン図鑑をもらい、研究員からはモンスターボールもらった。ラッキー。

 再びトキワシティへ。
 トキワシティ周辺をうろうろしながらレベル上げとポケモンゲットに勤しむ。といっても、コラッタしか捕まえていない。

 ヒトカゲのカゲッちはレベル11、コラッタは10。
 レベル上げをしていたら、グリーンと再会した。

 お前は私のストーカーか!
 どうもポケモンリーグに出たいらしい。それにはジムのバッチを集めないと行けないとか。
 そういやそんな話だった。

「お前はどれだけ強くなったんだ? 俺に見せてみろ!」

 バトル開始。
 ってまたバトルかよ! んで危ないところだったが勝利。

「くそっ。きっとお前が先に旅立ったからだ!」
「関係ないだろ」

 何かギャーギャーわめいてるが無視する。
 先に旅立ってレベル上げてたのは事実だけど、そんなに時間変わんないでしょう。

「俺と同時に行かないから!」

 ん? 何かおかしくないですか?
 同時って……。

「一緒に旅したかったの?」
「んなわけあるかっ! そんなお前みたいなマップも持ってないやつと旅できるかよ!!」

 バーカバーカと言わんばかりの勢いである。

「マップどこでもらえるの?」

 実は探してたんだよね。誰に話しかけてももらえないから。

「……お前知らなかったのか? ここまでは大丈夫でも、ここから先はお前絶対迷うぞ。
 俺の姉ちゃんが予備持ってるから。貰ってこいよ。そんで俺に後れをとれ! バーカ」
「ありがとう」

 まさに子供だ。やんちゃな男の子。何か微笑ましくて笑ってしまった。

「ふんっ!」

 グリーンは顔をそらし、どこかに去って行った。







 ナナミお姉さんにタウンマップをもらった。
 ありがとうお姉さん! 美人!
 グリーンも兄弟だから少し似ていて、美人なんだけど口を開くと自己中で自尊心高すぎだから台無しなんだなあ。

「ところでグリーンとどうなの?」
「どうなのと言われても……どうもしませんよ」

どうもお姉さんは私とグリーンをくっつけたいらしい。

「小さい頃に結婚の約束してたじゃない」
「え……?」
「あら、覚えてないの。ちっちゃかったものね」

 もしかして前世の記憶が戻る前なのかも。だったら仕方ないさ。
 それに普通はそんな4・5歳のことなんて覚えてないっしょ。

「グリーンは僕のこと男だと思ってるんじゃないですか」
「そんなことないわ。ちゃんと女の子だったのは覚えているはずよ」

 "女の子だった"って……過去形ですか。
 まあ覚えていても扱いは男友達な感じだし。むしろライバルだし。

 トキワシティから2番道路を通り、ニビシティへ向かう。
 トキワの森ではコクーンやビードルが出るが捕まえない。虫は苦手だ。

 進むと麦わら帽子をかぶり、虫とり網と虫かごを持った少年に話しかけられた。

「トレーナーだよな! バトルしようぜ!」
「お前もか……」

 ブルータス、とは言わない。
 この世界の人はどれだけバトルが好きなんだ。
 少年は問答無用でモンスターボールを投げてきた。
 ビードルが現れる。だから虫ポケは嫌いだってば!

「カゲッち、ひのこ!」

 焼き払ってしまえ!
 こっちのレベルは12、相手は6だ。一撃で倒した。よし!
 次はキャタピーか。ビードルよりえぐい……芋虫やだ。

「カゲッち、もっかいひのこ!」

 急所に入り、効果は抜群。
 キャタピーは倒れた。

「負けたあ! キャタピーなんかじゃダメか」
「幼虫はやめたほうがいいよ」

 賞金として60円手に入れた。
 正直こんな年下からお金もらうのどうかと思うけど、ルールなので仕方がない。
 しかしここはやたら虫とり少年にバトルを申し込まれる。

 そしてやっぱり虫ポケモンばっかり。そんなところに、野生のピカチュウが現れた!
 もちろん……

「ピカチュウ、ゲットだぜ!」

 やっぱりポケモンといったらピカチュウだよね!
 かわいいよーピカチュウちょーかわいい。名前はピカちゃんに決定!

 これでしばらくは虫ポケのことが忘れられそう。




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