【レッドワールド】



 オーキド博士の研究所に行くと、孫で幼なじみのグリーンと研究員しかいなかった。
 どうしたら会えるんだっけ?そもそも呼んどいていなくなるなよじいさん。

 そのまま待っていてもよかったが、グリーンがうるさいので探しに行くことにする。
 グリーンとは家がお隣さんということもあり、一番仲がいい友達だ。女らしい服を着ていたのは6歳くらいまでだけど、彼は覚えているだろうか。
 今着ているのはシンプルなTシャツに黒い機能的なジャケット。目立つのは赤いキャップだけで、後は同じく機能的なグローブにハーフパンツだ。
 女らしいところといえば、伸ばしている髪ぐらいかな。肩より下にとどくくらいには伸ばしている。それをひとまとめにし、キャップの中に押し込んでいるのだ。

 マサラタウンには私を本気で男の子だと思っている人もいるそうだけど。私は別にかまわない。
 母が「かっこいい息子さんで羨ましい」と言われ、嬉しがっていた。

 小さいがどこか近未来を感じさせるマサラタウンを歩く。そう思うのは私の心が日本人だからだろうか。
 町から繋がる草むらに行くとオーキド博士がやってきた。野生のポケモンがうんたらかんたらで、なんでもポケモンをくれるらしい。ラッキー。
 いや、これぞ物語か。

 研究所に戻ると、さっそくグリーンがうるさかった。
 もう私の中では『グリーン=うるさい』でしかない。まあ私のが精神的には年上だからがまんできるんだけど。
 さて、選べるのはヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネの3タイプだ。
 私はもちろんヒトカゲを選んだ。どれも好きだけど、ヒトカゲがいっとう好きだった。むしろリザードンが。
 アニメでずっと反抗期だったリザードンとサトシが和解し、その後に来た別れにはボロ泣きしてしまった……。
 というわけで、思い入れが強いのである。

 グリーンはゼニガメを選んだようだ。
 するとそれを掲げ、私に指を突き付けた。
 
「どっちのポケモンが強いか決めようぜ!!」

 いきなりか。いきなりバトルしようぜ!か。

「え〜いやだよ」
「俺のゼニガメのほうが強いから、負けるのが嫌なんだな」
「そういうわけじゃないけど……」
「じゃあ何が理由なんだよ!」

 しいて言えばめんどくさい。
 そういうわけにもいかず、私のライバルたるグリーンとバトルすることになった。

「バトルしようぜ!」

 もうやけくそだ。恥ずかしすぎる。


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