僕が兄でも良いと思う





 家に帰るとリビングで姉さんが寝転んでいた。
 学校を休みがちだけれど、今日はきちんと登校させた。
 部活に入っていないから僕よりも帰るのが早い。

 ――――にしても、これは兄弟として恥ずかしい。



「姉さん、何してるの」
「ゲーム」
「ふうん……」



 テレビから視線を外さずに答える。
 話しかけられたらそっちの方見るよね、普通。ちょっとイライラする。
 スリッパを脱いで絨毯に上がり、姉さんの足の裏を踏みつけた。
 本当はゲーム機の電源を引っこ抜いてやりたいけれど、前に実践して三日間無視されたからやめとく。



「痛い!」
「痛くしてるんだよ。寝ころびながらゲームしないでって言ってるよねいつも」



 足を離すと姉さんはその場に座り直した。
 ゲームの邪魔をしたからか、少し機嫌が悪そうだ。



「ソファがあるからそこに座りなよ」
「嫌だ。テレビから遠い」
「なら、自分の部屋にもテレビあるでしょ。そこでしたら?」
「嫌だ。こっちの方がテレビ大きいもん」



 最近姉さんの目は少し悪くなった。
 よく本を読んでいるし、ゲームの時もテレビに近いからだと思う。
 これ以上悪くならないように注意してるのに姉さんは言うことを聞かない。
 ひとつ大きなため息を吐いたあと、仕方ないのでかなり譲歩した。



「なら、もう少し下がって」
「はーい」



 僕はたまに思う。
 生まれてくる順番間違えたんじゃないの?



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